Leopard Gecko Caresheet

ヒョウモントカゲモドキの飼い方


1996年9月16日 第1稿

1997年11月14日 第2稿

初めに

 1995年の秋からヒョウモントカゲモドキのペアを飼っていて、次の春から産卵し、いつも何匹かの子供が育っています。簡単に繁殖させられる爬虫類として皆様に勧めます。そもそも、飼いたくなった動機は、東山動物園のヴィヴァリウムで、爬虫類を触らせてくれる時間帯があり、そこでCorn snake とヒョウモントカゲモドキを手に取ってみたのです。その時はヒョウモントカゲモドキという名前は知らず、模様が奇麗で手から手へ歩かせてもおとなしいそのトカゲに魅力を感じ、係の女性に種名を聞きました。何とかモドキの部分だけが記憶に残り、それを手がかりにペットショップを訪れたわけです。

 飼いやすい爬虫類は沢山いますが、繁殖させやすいものはあまりいません。繁殖させやすい爬虫類ナンバーワンのヒョウモントカゲモドキのペットとしての長所と短所をリストにしてみましたので、飼育を検討している人は参考にしてください。

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  • 長所
    • 丈夫で繁殖させやすい。
    • 温和で、噛みつくことはなく、慣れれば手にとっても温しい。
    • 価格的には手ごろでよく売られている。
    • 気温変化にも比較的強い。
    • 病気に強い。
    • 決まった場所に糞をし、飼育容器をあまり汚さない。
    • 紫外線などの特殊な照明を必要としない。
    • 幾つかの改良品種が存在する。
    • 丁寧に飼育するとどんどん色が奇麗になる。
  • 短所
    • 生きた餌を必要とする。
    • 乱暴に扱うと尻尾は自切する(とれる)。
    • 雄同士は喧嘩する。
    • 飼育容器をあまり汚さないと言ってもやはり糞は臭い。
    • 冬はある程度の暖房が必要。

 こんな性質だからマニアには物足りないかもしれないが、とのかく繁殖させる喜びは無視できない。


どんなトカゲか

  • 英名:Leopard Gecko
  • 学名:Eublepharis macularius
  • 原産地:インド、パキスタン
  • 生息環境:砂漠、草地
  • 体長:成体で20cm前後
  • 生態:夜行性
  • 寿命:20年以上?

トカゲモドキの仲間はヤモリに似ているが、もっと原始的でヤモリのように壁を登る足盤はなく、ヤモリにはない目蓋を持っている。あまり速く走らないので、手から逃げてもそれほど慌てることはない。ただ、尻尾をつかめば切れるので注意するべきである。切れた尻尾は再生するが、元の尻尾より太く、短く、模様や色も違うので一見してわかる。ぼく結構よく手に取るけどまだ尻尾をきらせたこたがない。仮に手から逃げても、反射的に掴まずに、止まるのを待って捕まえるべきである。


その入手

爬虫類を扱う店ならどこでも置いている。野性採集個体と養殖個体がいる。どっちを買うかは他の両性爬虫類の場合ほど問題にならない。余裕があれば気質がおとなしいのでペットとして養殖個体がお勧めである。「どっちなのかわからない」とか「同じだよ」と言うような店での購入は避けたほうがいい。

  • 野性採集個体の特徴
    • 手に取ると暴れる。
    • 養殖個体ほど色が奇麗でない(飼うと向上)。
    • 寄生虫の心配はある(重要)。
    • ふつう再生尾である。
    • 値段が安い(番いで12000円から)
    • 成体が売られるのですぐ繁殖させられる。
  • 養殖個体の特徴。
    • おとなしい
    • 色が奇麗
    • 病気、寄生虫の心配ない。
    • 値段が高い。(番いで20000円ぐらい)
    • 成体があまり売られていない、従って買うときに性別がわからない。

以前より養殖個体の入荷が増え、野性個体とともに値段は毎年安くなっている。改良品種もそうである。熱帯魚と同じでブリーダーが勝手にほぼ同じものに違う名前をつける傾向がある。ヒョウモンは爬虫類界のグッピー?

  • High yellow:体のほとんどが黄色。一部オレンジ色に近い鮮やかさ。
  • Leucistic:全身が白に近い黄色。斑点が少しあるだけ。
  • Mottled:横縞模様が不規則(面白き、案外魅力的)
  • Albino(白色体)気持ち悪い?
  • Jungle phase(縦縞が多い)
  • Designer Gecko (?)

健康な個体を選ぶのには以下の点に注意する。

  • 餌を与えると目の前で食べる。
  • 尾が太く、縦皺がない。
  • 足で体をしっかり支え、つっつくと機敏に動く。
  • 指先、目、口、肛門周辺に汚れ、腐れがない。

もし、気に入った個体が目の前で食べないのなら、また次の日に出直して食べることを確認したほうがいい。趣味的に再生尾を好む人と嫌う人がいるけど、十分太ければ健康上は問題はない。でも、もともとの尻尾をもつ成体は丁寧に飼育されていたと解釈できる。足で体をしっかり支えられない個体はカルシウム不足である。養殖のベビーに時々見られるので注意するべきである。野性採集個体に寄生虫がいるかどうかは素人にはわからないけど、腹が膨れているのに尾が細い個体は避けた方が懸命でしょう。底が濡れた容器で飼われている個体には足先の腐れがみられることがある。とにかく、本などの写真の健康個体をよくみておいて、それと違ってみえるやつは避けるべきである。

飼育容器

ぼくは成体2匹を40cm(40長-20幅-25高)の熱帯魚水槽で飼っている。ガラス蓋をするときと、しない時があるけど登って逃げ出すことはない。だいたい、登って出ようとすることもあまりない。中には熱帯魚用の砂が4キロ分入っている。カルシウムを補給するために砂を食べる習性があるみたいで、糞にまじっているし、よく嘗めているのをみる。一時、小鳥ようの牡蠣殻をまぜていたけど見栄えがしないので今はやめている。隠れ場所として、25x15cm程度のコルクの木の皮の破片(爬虫類屋で売っている)を入れてる。彼等は砂を掘ってその下に入る。自然な感じがするし軽いので、尻尾の上に落としても平気なのが利点である。2匹が入れる隠れ場所は絶対必要で、ないと落ち着かず、ストレスが溜まり、餌をたべなくなる。これが爬虫類の一番の死因のようです。あとはは、水ようのプラスチックの小皿が入っている。多くのトカゲと違い、ヒョモントカゲモドキは皿からでも水を飲む。本では勧めているが、ぼくは霧吹きはしていない。あと、植物も植えていない。


10月から4月は水槽のした半分に爬虫類ようのヒートパッドを敷いている。全部に敷くと、暑い時に逃げる場所がないのでよくない。砂が適度に熱を分散、保持するようである。また、一般に地上性の爬虫類は下から保温したほうがお腹があったまり、消化がいいようである。温度は春、夏、秋が23度ー30度程度の温度がよく、冬は夜間少々下がっても大丈夫だが、昼間20度程度ないと餌をたべなくなる。ぼくは厳寒気にはインテリア用のスポットライトを当ててさらに暖めている。ヒョモントカゲモドキは冬に活性が落ちるが、冬眠はさせない。自然界でどうしているかは知らない。


餌、水

餌は最初は生きたコーロギ(フタホシコーロギ)を使っていた。2匹で一週間に親コーロギを10-20匹食べる(気温による)。コーロギは熱帯魚屋(アロワナの餌として)や爬虫類屋で売られている。一匹20-25円程度であるので、コーロギ代も馬鹿にならない。冬に入荷しないこともあるので、注意するべきである。買ったコーロギは栄養価が低いので、熱帯魚のフレークフード、野菜で最低一日腹を膨らませてから与える。結局、コーロギのオブラートでフレークフードを食べさせるのである。専用のクリケットフードも売られている。あと、与える前にカルシウム剤、ビタミン剤でコーロギをまぶし、食べさせる。ぼくは蓋の出来る瓶にカルシウム剤、ビタミン剤を少量いれ、その中でコーロギを振って、まぶす。カルシウム剤はTetra Reptical、ビタミン剤はNekton Repcolorを使っている。コーロギはピンセットでつまみ、顔の前で動かすと噛みつく。産卵期は毎日2-3匹、それ以外は2-3日に2-3匹与えている。

コーロギがないとき、食が細いとき、子供にはミールワームを与えていたが、最近は親にも子供にもミールワームばかり与えています。熱帯魚のフレークフードで最低2-3日腹を膨らませて、与える前にカルシウム剤、ビタミン剤でコーロギをまぶし、食べさせる。安く、自分でも簡単に増やせるのは利点である。ただし、従来からミールワームばかり食べさせるとカルシウムの摂取が阻害され、いい餌ではないとされてきたので、与えるときはフレークフードを十分食べさせたものに十分カルシウムをまぶすべきである。アメリカのブリーダーのなかには ミールワームしか与えない人もいるようです。

大型のミールワームでキングミールワームというのを入手して、一時繁殖させて与えていましたが、普通のミールワームを沢山与える方が簡単なので現在はやめています。

生きたピンクマウスもいい餌のようです。繁殖の秘訣だという話もありますが、ぼくはあまり与えてません。なれれば、解凍ものでも食べます。

餌が変わり、コオロギやミールワームを食べたがらない時は餌昆虫の頭をもぎ取って、体液をトカゲの口のところに塗ります。そうすれば、それを舐めて、顔の前の物が餌だと自覚し、噛み付きます。

水を殆ど汚さないので、全部蒸発したら水皿に水を足す程度である。

脱皮、掃除など

数週間おきに脱皮する。2-3日まえから体が白っぽくなる。へびと違い脱皮前でも餌を食べる。頭以外の皮は自分の口で剥いでとり、食べてしまう。結構時間がかかり、見ていてあきない。脱皮不全の場合は霧吹きで湿気を与える。砂にコップ一杯の水を注ぐのもよい。同じように飼育していても、なる個体はなるし、ならない個体はならない。気をつけないと、指先などの脱皮不全を繰り返し、古い皮で指先の血行が悪くなり、爪などが腐ります。

2-3日に一度、糞をピンセットで拾って捨てる。あと、2-3ヶ月に一度、水槽の砂を水でよく洗う。乾くのに2-3日かかり、トカゲたちは明らかに不快なので、冬場は砂を別容器で乾かすほうがいいみたい。

繁殖

ヒョウモントカゲモドキは雄の肛門の後ろがふくらんでいて、雌と比べればわかる。また、肛門の前に小さな穴(毛穴ていど)がいくつかあり、これが雌ではずーと小さい。そのうち写真載せます。一年程度の個体ならはっきりわかるはずです。

ヒョウモントカゲモドキは一年半程度の年齢で繁殖可能である。交尾は春先にするので、必要なら8週間程度、日照時間を6時間にし、温度を3-4度下げる。ぼくのトカゲは3月ぐらいに深夜、交尾しているのを一度みた。雄が雌の首に噛みつき、押さえ込むので、心配するほど乱暴である。一度の交尾で数回は産卵できるようである。それから、数週間で雌はどんどん太くなり、2つの卵の輪郭が腹側からみればわかる。この時期は餌とカルシウムを大量に与えないと雌は体調を損なう。卵を生む数日前は、尻尾が急に細くなり、雌は盛んに砂を堀返し、適当な産卵場所を探す。

ヒョウモントカゲモドキは鶉の卵程度の大きさの卵を2個生む。体の大きさにしては巨大な卵であり、雌はずいぶん消耗する。見ていると産卵後の数時間は動けずに立ちすくんでいる。見ていなくとも腹が急にすぼむのと、砂をいつもの数倍掘り起こすのでわかる。ほくは本で勧めているような特別な産卵巣を入れたりはしなかったが、卵はすぐに別容器に移した。バーミキュライトを水に一度完全に浸し、そのあとよくきったものを、一番小さいサイズのプラケースに半分ほどいれ、その中に卵を半分埋める。向きなどは産卵されていたときと変えない。このプラケースは水が5-10cm入った発砲スチロールのクーラーボックスに入れ、湿度をほぼ100%にする。カビなどを心配したが、問題はなかった。あと熱帯魚用のヒーターサーモで水を25-30度にする。温度により8-10週間でふかする。ヒョウモントカゲモドキの性決定はふ卵温度依存型で、低温で雌、高温で雄になり、中間で半々である。従って、好きなように生まれてくる子供の性別が選べます。雄同士は喧嘩するので、ぼくは低温にしておいた。ふか直前は卵が膨張し、わかる。


産卵直後



生まれたばかり

ふか後一週間程度は卵黄がのこり、餌を食べないので、脱水しないようにバーミキュライトのままにした。一週間するとミールワームを食べる。新生個体は刺激するとすごく品のない鳴き方(腹からでたエイリアンみたい)で威嚇する。現在のところ、ミールワームだけで育てているが問題ないみたい。ただし、すでに書いたようにミールワームはフレークフードでしばらく飼育している。


病気

間接的にフレークフードを食べさせ、カルシウム剤、ビタミン剤を与えていれば、野性個体の寄生虫、濡れた場所で飼った場合の足腐れ以外あまり聞かないので、特にとりあげない。

もし、尻尾が切れた場合は再生するまで充分餌を与える。ヒョウモンの尻尾はラクダのこぶである。切り口が化膿した場合は抗生物質入り軟膏を塗る。

最後に

現在、家にはワイルド雌1匹(最初の写真)、とハイイエロのペア、亜成体のワイルドxハイイエロが2匹います。ハイイエロ個体の写真を今度載せます。子供が欲しい人は春に連絡ください(2001春現在分与中止中。すみません)。

参考文献

Ray Hunziker 1994. Leopard Geckos; Identification, Care and Breeding. T.F.H Publications, Neptune City New Jersey USA.


2ヵ月


1997年2月


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